むし歯治療
むし歯は、虫歯菌(ミュータンス菌やラクトバチラス菌)が食べ物や飲み物に含まれる糖から酸を代謝して歯を溶かす病気です。「虫歯菌」、「糖」、「酸で溶けやすい歯」の3つの要因によってむし歯が発生します。
むし歯を放置すると、歯のエナメル質、象牙質を溶かし、やがて神経に到達します。その結果、ひどい痛みが生じるのです。
むし歯の予防には、むし歯の原因を取り除く必要があります。歯の表面と裏側、歯と歯ぐきの間などに付着した歯垢を歯磨きで徹底的に取り除きましょう。ただし、むし歯は生活習慣や食生活、唾液の量、虫歯菌の量、歯ぎしりの有無など、さまざまな要因が重なることでリスクが変動するため、それぞれに合った方法でケアすることが大切です。
また、歯磨きだけでは、歯垢を完全に取り除くことが難しいため、3~6ヵ月に1回は歯科医院で定期健診を受けてください。歯科医院で歯のクリーニングやブラッシング指導を受けていただき、セルフケアの質を高めれば、むし歯のリスクを低減できます。
分かりやすい説明で適した治療を
歯科医院での治療に対して恐怖心を持つ方は、「どのような治療をされているのかわからない」と感じている場合があります。
そのため、当院ではレントゲンやCT、口腔内カメラなど、さまざまな医療機器でお口の中を「見える化」しております。ご自身のお口の中の状態をご確認いただくことで、「何をされているかわからないことによる恐怖心」を解消できます。
そして、お口の中を把握いただいたうえで、治療法の詳細をお伝えいたします。治療の流れ、メリットとデメリット、治療しない場合に起こり得るトラブルなどを具体的にお伝えして、患者さまにご理解いただいてから治療を開始いたします。
これをインフォームドコンセントといい、すべての医療機関で実践されるべきことですが、残念ながら不十分なケースが少なくありません。患者さまに恐怖心を与えず、最後まで気持ちよく通っていただけるように努めておりますので、どうぞご安心ください。
痛みに配慮したむし歯治療
むし歯治療の際には、麻酔注射をします。この麻酔注射のときの痛みが苦手で、歯科医院に行けない方は少なくありません。麻酔注射の痛みの原因は、薬液の注入スピードにムラがあることです。当院では、麻酔注射のときの痛みを軽減するために、「アネジェクト」という電動注射器を使用しております。
電動注射器の使用によって薬液を一定のスピードで注入できるため、麻酔注射の痛みを軽減できます。また、世界でもっとも細い針である「33G」を使用して、注射針が刺さるときの痛みも抑えています。
さらに、注射針が刺さるときの痛みを抑える方法の1つとして、表面麻酔も使用しております。表面麻酔は塗る麻酔のことで、歯に注射針が刺さるときの痛みを軽減できます。
そのほか、むし歯の再治療を防ぎ、患者さまに余計な負担をかけないことも心がけております。症例によっては、視野を約3.5倍に拡大できる「拡大鏡」を使用し、精密なむし歯治療をいたします。それにより、再治療やむし歯の取り残しのリスクが低くなり、結果的に患者さまの負担を軽減できます。
詰め物で治す方法
歯の噛む面や前歯にできた小さなむし歯は、「CR充填」で治療できます。むし歯の部分だけを削り取り、白いプラスチックで歯質を補います。治療はわずか1日で終わり、見た目の変化も少ないことがメリットですが、プラスチック素材のため着色しやすかったり数年で再治療が必要になったりする可能性があります。